Grand Cru Club

Actualités - GCC便り

ルシヨン地方

フランス南西部、ルシヨンのワイン生産者を訪ねた。

アンチョビの産地Collioureと甘いワインが知られているBanylus。ふたつの村のどちらで作っても、ドライなワインはCollioure、甘いワインはBanylusの産地呼称となる。

Collioure村のLa Tour Vieilleは、丘の棚田状の葡萄畑が絶景。棚田には機械が入らないので畑仕事は全て手作業。海に近いので風があり、昼と夜の気温の差が大きい事が葡萄の生育によい。葡萄はシスト土壌に深く根を伸ばす。シストのスポンジ効果で、長期に雨が降らなくても旱魃の被害はない。1952年以来のソレラ式Banylusあり。

Banylus村のVial-Magnèresでは、小さめのタンクか大樽で区画ごとに4ヶ月マセラシオンした後ブレンド。この頃卵型(アンフォラ型)タンクも導入して研究している。醸造中はSO2を使わず、瓶詰め時に少量添加。

30km程内陸に入ったLatour de France村のLe Roc des Anges。ここのシスト土壌は海より山の影響が強い。ブルゴーニュやアルザスと違って、北向きの斜面が葡萄によい。日中は暑く、夜は気温が下がって葡萄が休息できる。樹齢40年以上でないとvieilles vignesと呼ばない。
品種別の畑ではなく混植栽培。ビオディナミを採用。アルコール11.5度位のうちに収穫。
白は木樽でマロラクティック発酵させる。赤はテロワールの特徴を生かすため主にコンクリート製タンクを使用。

(須藤)

須藤 秀章
1986年にAcadémie du Vinでワインに開眼。CIDDのAlain Segel氏によるワインと料理の組み合わせ(Mariage)に感動して以後、自らも垂直試飲・平行試飲を中心とする比較試飲会を企画。在パリのワイン愛好者が集まっての試飲会を1991年にGrand Cru Clubと名付ける。
1995年より日本でも試飲会を開催。パリでの試飲会にワイン生産者を招いたり、産地を訪問して葡萄の生育や醸造への理解を深めるツアーを企画したり、ワインのもたらす楽しみを少しでも多くの人と分かち合うために情熱を傾けている。

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