Actualités - GCC便り
5月21日 Bacabonさんにて、クラシカルフレンチとGCCお奨めワイン
6月25日 チーズのHisadaさんにて、熟成チーズと究極のサンセール他
コルシカのDomaine Pinelli
今年もコルシカはパトリモニオ地方の Domaine Pinelli にマリ-シャルロット・ピネリさんを訪ねた*。
まずは試飲。Vermentinu(白)2021とNiellucciu(赤)2022の他、今回はScicarello(赤)を樽から飲ませてくれた。さくらんぼとプラムの香りは良いScicarelloの特徴、色は若干にごっているが自然派ワインでは避けられない。あと数ヶ月熟成させてから瓶詰めだそうで、これは期待できそう。2021はステンレス製タンクのみ、2022はステンレスと木樽両方で熟成させるつもり。木樽を使うと色が透明度を増すそうだ。
建増しされた醸造所には、コンクリート製タンクに加えて、大きさも形も様々なステンレス製タンクが並んでいる。貯蔵室にも楕円形の新樽が増えている。他所で見たことのない形だと思ったら、特注だそうだ。理由を訊くと、祖父が使っていた形だから、それに貯蔵室の入口を通れるから(笑)。とはいえ、樽の中で液が還流するアンフォラ型同様の効果もあるという。樽は、木材を焼いて曲げる普通の製法ではなく、蒸気で曲げる方法で作らせている。いわゆる樽香をなるべくワインに移さず、葡萄本来の味と香りを活かしたいためだ。
ピネリさんは、醸造所と貯蔵室の拡張工事がほぼ完了して「思い通りに熟成させてから出荷できるようになった」と嬉しそう。確かに「樽熟成を2年に、瓶熟成を1年に延ばしたい」と去年話してくれていた。だが、とすると、熟成期間が延びた分、今後数年は売りに出せるワインが減るということだ。早く予約せねば!
*2022年6月のGCC便りをご覧ください。
(須藤)
須藤 秀章
1986年にAcadémie du Vinでワインに開眼。CIDDのAlain Segel氏によるワインと料理の組み合わせ(Mariage)に感動して以後、自らも垂直試飲・平行試飲を中心とする比較試飲会を企画。在パリのワイン愛好者が集まっての試飲会を1991年にGrand Cru Clubと名付ける。
1995年より日本でも試飲会を開催。パリでの試飲会にワイン生産者を招いたり、産地を訪問して葡萄の生育や醸造への理解を深めるツアーを企画したり、ワインのもたらす楽しみを少しでも多くの人と分かち合うために情熱を傾けている。