Grand Cru Club

Actualités - GCC便り

ワイン投資ファンド破綻

日本初のワイン投資ファンドが破綻した。

報道*1によると、自己破産を申請したファンド運営会社は2000年設立のヴァンネット。投資家から資金を募ってボルドーの五大シャトーなど人気の高いワインを購入し、値上がりしたら売却して売却益を出資者に配当する仕組みで、合計25のワイン投資ファンドを販売し2千人近くの投資家から77億円超を集めたが、そのうち14、約36億円分が償還不能となる恐れがある。36億円の出資金に対してワインの在庫は1億円分程しかないらしい。

この報道で、去年1月に強制清算処分となったフランスのワイン通販会社1855.comを思い出した。会社設立は1995年、1997年にワインのカタログ販売を、2年後にインターネット販売を始める。在庫を持たず、注文を受けたワインを探して配達する、保管費用も保険料も不要、盗難や破損の心配もない画期的なビジネスモデル…。だがプリムール予約(ボルドーワインの先物販売の仕組)を受けたワインを揃えられず、納品の遅れ、顧客に約束した売値より高く仕入れざるを得ない、納品できない、など問題が重なる。にもかかわらず2006年には上場を果たし、破綻までに5200万ユーロの資金を調達。この資金は何に使われたのだろう? 破綻時には、納品も返金も受けられなかった顧客約11000人に対する債務が約4000万ユーロと言われた*2

ワインは信頼できるグラン・クリュ・クラブから買いましょう。

*1 http://www.nikkei.com
*2 La Revue du Vin de France N°589 – Mars 2015

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(須藤)

須藤 秀章
1986年にAcadémie du Vinでワインに開眼。CIDDのAlain Segel氏によるワインと料理の組み合わせ(Mariage)に感動して以後、自らも垂直試飲・平行試飲を中心とする比較試飲会を企画。在パリのワイン愛好者が集まっての試飲会を1991年にGrand Cru Clubと名付ける。
1995年より日本でも試飲会を開催。パリでの試飲会にワイン生産者を招いたり、産地を訪問して葡萄の生育や醸造への理解を深めるツアーを企画したり、ワインのもたらす楽しみを少しでも多くの人と分かち合うために情熱を傾けている。

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