Grand Cru Club

Actualités - GCC便り

8月のselosee会を終えて

まずはドレスコードお守りいただいて、皆様有難う御座いました。恒例のセロス会でしたが今年より6lieux-ditsを3箇所でしたが含め開催させてもらいました、ワインの状態は比較的良く、良く、(ブショネもなく)avize,parisで飲む味わいと殆ど変わらずでした、6つの特徴は 初めの名古屋以外は顕著に現れて参加者の殆どの方が的中されてました、名古屋に関してはアエラションをし過ぎたのか、不安定な状態でした、にもかかわらず 昨年試飲しているシニアソムリエ松岡氏は全てを把握しコメントを頂いてますので是非来年の為にもご一読くださいませ。

セロス会 テイスティングコメントまとめ

ロゼ

赤い果実の熟したニュアンスに加え、昆布や海苔のような海の旨みの香り。
控えめな酸化香に樽熟成からくるナッツのような香ばしさを感じる。
時間と共にやや酸化香が目立ち始める。
味わいのふくよかさ、酸の伸び、トータルバランスは優良生産者のブルゴーニュ1erCruクラスに勝るとも劣らない素晴らしさ。余韻に心地よい苦味。
これまでに経験したセロスロゼの中で今回が一番良かった。

Sous le Mont(Mareuil sur Ay)

香りの第一印象はやや控えめ。カリン、すりおろしたリンゴ、ロースト香、ナッツなど。(ピノとわかってテイスティングしているのに)赤いニュアンスをあまり感じない。奥にややベジタルなニュアンスあり。
味わいはシンプルでストレート。ふくらみをほとんど感じない。ミネラルはセロスとしては中程度。やさしい酸、余韻は細く長く、そして柔らかく心地よい苦味を伴う。

【一年前と比較して】
このSous le Montに限らず、今回のリューディー全6種からは信じられないくらい酸化香が感じられない。いや、全く感じないわけではないのですが、まずこの点において一年前との違いが明確です(以下5種に関して酸化香には触れない)。
このSous le Montに関しては一年前にくらべて赤い果実のニュアンスが少なく、樽のニュアンスを強く感じましたが、概ね印象通り。ふくらみをほとんど感じないところ がドサージュとの兼ね合いかも知れません。しかし、酸化香の少なさにはおどろかされるばかりでした。

Le Bout du Clos(Ambonnay)

香りは先のSous le Montよりも強く、華やか、そしてより明確。小さな赤い果実、ピンクグレープフルーツ、海のニュアンス(海苔や寒天)もほんのり感じる。よりミネラルを 感じ、果実味もしっかりしているため樽由来のロースト香やナッツ香が前面に出てこず非常に心地よい。
味わいはアルコールのボリューム感をしっかりと感じ、よりふくよか。しっかりとしたアタックからよりふくらみを感じる。ミネラルは中から強。余韻も申し分ないくらい長い。

【一年前と比較して】
全体的な印象として溌剌さが増しました。より若々しく。デゴルジュマン後約一年と数ヵ月、落ち着いて開いてきたのでしょう。

La Cote Faron(Ay)

第一印象は一年前と同様に(三つの中で)最もセロスらしい表情であったこと。
香りはLe Bout du Closに比べて赤い果実味が穏やかになったものの、旨みのニュアンスが倍増、海苔、寒天、アサリの出汁の雰囲気まで感じる。ミネラルは三つのうちで最も強く感じる。奥の方から甘いカスタードの香り。
味わいは(三つの中で)甘味を最も強く感じ、ふくよかさは二番目、余韻の苦味が少ない。バランスが取れており、最もワインとしての完成度の高さを感じる。

【一年前と比較して】
セロスらしい香りやニュアンスを存分に楽しむことができました。前回もしっかりと乳酸を感じており、今回の甘いカスタードにつながったことも興味深い。前回は最も強い印象でしたが、今回は最もバランスが取れていると感じました。

Les Carelles(Mesnil-sur-Oger)

最初の強烈な石油香が参加者を驚かせる。オレジンピール、カリン、寒天、フレッシュハーブなど。ミネラルがよいアクセントになりワインを支えているがやや閉じた印象。奥の方にビスケット香。
味わいはフレッシュで酸がはっきりしている。アルコール感も少なく、余韻も幾分短い。
この石油香が時間ともに変化し、一時完全にガソリンの匂いになってしまう。その後完全に消え去って最後はパッションフルーツの香りが支配的なったことが非常に興味深い。

【一年前と比較して】
私は最初、このワインをLes Carellesとは思いませんでした。これまでの経験から“樽を使ったシャルドネのわかり易いワイン”という印象(これまでの私のLes Carellesの印象)が強くなかったからです。
ただ、このあとの二つと比べてあまりにも異質であったため、一年前に最も開いていたLes Carellesが該当するのではと下記二種をテイスティングした後に思い始めました。
一年前にこのLes Carellesだけが異様に開いていたということには理由があり、①現在何らかの事情で下がって(閉じて)きており、ややバランスを崩しているのかもし れない。②前回最も樽を感じていたので、樽をより強く使用するということは何らかの物足りなさをアンセルムが感じていたのかもしれない(余韻が幾分短いなど)と考えました。そして、他のものより早く熟成し(石油香は熟成由来の香りと言われる)今回、閉じ気味でアンバランスな印象をあたえるのかと無理やり納 得しました。

Chemin de Chalons(Cramant)

最初から素晴らしい印象。香りはミネラル、リンゴ、グレープフルーツ、カリン、ナッツ、バター、キャラメルなど。特にフレッシュハーブの香りが6種の中で最も強く、香りの印象から上質なシャルドネという感じが読み取れる。
味わいもミネラル感、果実の凝縮感、グレープフルーツの苦味がバランスよく、このうえなく心地よい。口内にとても美しいラインが残る。

【一年前と比較して】
私は(一年前との比較において)かなり自信をもってこのワインをLes Chanterennesだと思っており、実際にそう答えました。ややパワーアップし開いた印象ですが、果実の凝縮感、バランス、ミネラル、ハーブのニュ アンスがアンセルムが言う「エレガントで調和の取れたきれいなワイン」に相応しいと思ったのでChanterennesとしか思えませんでした。(確かに Chanterennesにしてはちょっと強いなと思いましたが、Chemin de Chalonsは 一年前もっと細くミネラリーな印象だったので)。
結果、こちらがChemin de Chalons。一年前は非常に引き締まった細身の筋肉質な印象でしたがきれいに満開の花を咲かせたということでしょうか。

Les Chanterennes(Avize)

最初に爽やかな柑橘系を感じるセロスとしては珍しいワイン。引き締まった印象。ミネラル感、おかきのような旨みのニュアンス。
味わいもこの3種の中ではあっさり爽やか系。ミネラルをしっかり感じ、引き締まっている分、酸を最も強く感じる。
一つ前のワインをテイスティングしたあとにはやや物足りなさを感じる。
後に、ゆっくりと開く。最初は目立ち気味だった酸が気にならないくらいの果実のボリューム感まで感じるように。

【一年前と比較して】
一つ前の反対で、私はこちらをChemin de Chalonsと思っていました。昨年のミネラルの引き締まった印象がそのままだったからです。後に開きましたが。

(須藤)

須藤 秀章
1986年にAcadémie du Vinでワインに開眼。CIDDのAlain Segel氏によるワインと料理の組み合わせ(Mariage)に感動して以後、自らも垂直試飲・平行試飲を中心とする比較試飲会を企画。在パリのワイン愛好者が集まっての試飲会を1991年にGrand Cru Clubと名付ける。
1995年より日本でも試飲会を開催。パリでの試飲会にワイン生産者を招いたり、産地を訪問して葡萄の生育や醸造への理解を深めるツアーを企画したり、ワインのもたらす楽しみを少しでも多くの人と分かち合うために情熱を傾けている。

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